2019年12月1日日曜日

大腸癌になって、宗教を民間療法をどうする?

私は特別信仰心はない。 だけど、お参りをしないかと言うとするし、神様の存在そのものを絶対にないとか言うつもりもない。 人の信仰心を否定する気もない。 必要な人には必要なのだろうと考える。

癌になると、必ずといっていいほど宗教関連の話は出てくる。 自分でも、神社に賽銭を入れて手を合わせる程度の事はした。 家族は同じく宗教には特別興味はないが、親戚となると、それなりにいたりする。

私のことを思ってお願いしてくれること自体には感謝するけど、自分がその宗教に入ってまで助けを求めようとは思わなかった。

あくまでも自分の宗教観だが、よく聞く「信じるものは救われる」的な話には懐疑的だ。
神様が存在するとして、信仰心を対価として救いを与えると考えるとしっくりこない。
もし、神様が慈悲のある存在だったとしても、私の思う神様は「なんとなく気が向いたら、幸運の確率を少し上げてくれる」程度しか俗世には干渉しないぐらいに思っている。

だから、化学療法をしている時に体力の減衰をなるべく抑えるために近所を散歩し、ついでに近所の神社にお参りはしたが、手を合わせながら考えた事は「助けてくれている家族や親や近しい人に対する感謝と、これから何とか頑張ります。」と言う宣言に近いものにした。 あとは「気が向いたらいいので、幸運を振り分けてくれたら嬉しいです」程度に思っていた。

後、宗教とは少し離れるが、瞑想というかマインドフルネスはしていた。 というか、マインドフルネスという言葉を聞きはしめる前から、なんとなくそういう無心状態にして、外界の気配だけを感じるような事はしていた。 これは、精神の安定にはいい事だと思う。 不安やストレスが治療に良いわけはないので。

そして、宗教と同じように出てくるのは民間療法だ。
これについても、あまり気は乗らない。 何かを積極的に食べるや食べないとか、色々あるが、良い効果があるものだと言われても、効果が出るほどのものなら化学療法の効果の邪魔になる可能性も十分にあると考える。 逆に化学療法に影響ないのなら、そもそも意味がないぐらい効果がないとも思う。

癌は糖を栄養とするから糖を摂らない方がいいというような話も聞いたが、はっきり言って何かを食べる食べないとか言っていられないほど食欲が減衰した。 口の中に口内炎ができるし、舌はドライマウスになってひび割れる。生きていく気があるのなら食べられるものがあったら何でも食べた方が良いというような状態だ。 動けないのと、たんぱく質を摂るのが減るので筋肉がどんどん弱っていく。

要は、過酷な治療になれば、ごちゃごちゃ考えている余裕は全くない。 食べられるものがあれば食べる。 食べることは生きることだと、何かで聞いたセリフはその通りだと思う。