大腸の手術の記憶を書いておく。
私の場合、S字結腸に癌があり、下降結腸の上部から中央部にかけて浮腫があった。
このまま手術をするとうまく接合できないとのことで、人工肛門になってしまうという説明だった。 仕方がないのかとも思ったが、主治医は食事を完全に止めて点滴だけで栄養を取り、大腸の浮腫が引くのを待つという選択肢を示してくれた。 左腕から中心静脈までカテーテルを入れる簡単な手術をし、そこを利用して栄養価の高い点滴をすることで食事を0にして一週間以上腸を休めることにした。 かなり長期の無摂食となる。 レントゲンやCT検査で腸の状態を確認し、これなら接合できそうだというところまで回復を待って癌の切除を行うことができるようになった。 手術は腹腔鏡手術で、お腹には4か所の穴とヘソの下のところから腸を引っ張り出す穴の5つを開けた。 実際に腸の状態を確認するまでは人工肛門になる可能性もあったので、それに備えてのマーキングをしていたが利用することなく腸の接合に成功した。 切除したのはS字結腸とその周りのリンパ節だった。 取り除かれた腸は真っ黒だった。 完全に詰まってはいなかったが、鉛筆の細さ程度しか通り道がない状態だった。
人工肛門にならなかったのは麻酔が溶けてからの説明で知った。 正直ほっとした。
今から考えるとこのことが一番大きかったかもしれない。 傍目には普通の生活をしているようにも見えるし、行動の制限も全然違う。 今は人工肛門になっても、一時的なもので、時間が経過してから元に戻す場合もあるということではあるが大変なのは間違いので回避できるものであるのなら、その方がいい。 かかる費用も全く違ってくると思う。
この後、私の場合ステージ4ということで、肝臓に多数の腫ようと肺に小さなものが一つ転移がまだある。 これからは、化学療法をして腫ようの数と大きさを小さくしてから、肝臓と肺の順番で手術をする計画になった。