2020年2月17日月曜日

エルプラットによる口の中の副作用

ここで書くことは、私は薬剤師でもなんでもないので、あくまでも体験した事と説明を受けて自分で理解している範囲の情報です。 あくまでも、体験談としてお読みください。
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初めての抗がん剤治療のとき、アービタックス+アイソボリン+イリノテカン+エルプラット+5-FUの点滴を受けた。 更に隔週でアービタックスのみを行う。 これを半年続けた。 この中でもエルプラットという抗悪性腫瘍剤はアナフィラキシーショックが報告されているようで、聞いたところによると中々12回も続けることができないもののようだ。 治療をしている時に、湿疹や呼吸困難などの症状が出たら、エルプラットの投薬は中止されるようだ。

私の場合は、この投薬リズムを半年続けて手術。 その後、再発したため再度抗がん剤治療の再開となったわけだが、今度はエルプラット無しとなった。 これ以上は副作用が強いため使用しないらしい。 そして再開した治療は2ヶ月。 CTとPET検査を受け、効果が十分にあったとの判断で再度肝臓の手術となった。

抗がん剤治療治療としては、この経緯からエルプラットありとなしの副作用の違いを経験している。(エルプラットなしの治療は2度目の再発の現在も続け、また2ヶ月継続している。) つまり、エルプラットで出る特徴的な副作用がなんとなくわかった。

その中で気になった副作用を書いておきたいと思う。

口の中の副作用だ。 エルプラット以外でも口内炎やドライマウスによる舌のひび割れは起こる。 ただエルプラットを使っている時はかなり酷かった。 味覚障害も強い。 口の中の粘膜が腫れ、舌も腫れるため口の中が狭く感じた。 舌が腫れるせいで歯の内側にあたり口内炎が出やすくなるし、喋りにくい。 舌の横が痛いため、普段から舌を90度ねじった状態にする癖がついてしまったぐらいだ。

歯茎も腫れる。 歯が浮いたような感じで、噛み締めるとクッションのような感覚がある。

そして、食事をすると最初の一口の時にアゴが痛いと感じる。 2口目からはその痛みは感じなくなる。 その痛みの場所は正確にいうと、梅干しを食べた時に痛くなるなる場所と同じだと感じた。 どうも、唾液が出始める時の痛みだと思った。 あくまでも自分の理解だが、粘膜が腫れているため唾液腺の出口が狭まっているのでは?と思う。 そのため、初めの一口で唾液が出ようとしたときに痛みになっているように思う。 酸っぱいものを食べたとき感じる顎の痛みも唾液が出ようとした時の痛みという説明をネットで見たのでなるほどと思った。

この話を薬剤師の人に説明したが、あまり大きな反応はない。 「可能性としてありますね」で終わって、何か対処ができるわけではないからだ。 「他の副作用はありますか」という感じで話は流れていく。 まあ、体験した事がないのだから、知識として知っている範囲の対応になるのはしょうがない。 患者にしても、一口目の痛みが不快というだけで、それ以上のものでもないのだけど、理由は知りたいとは思う。 私の見立てが正しいかどうかは答えてはくれないが、ほぼほぼ間違いないのでは?という印象。 現在、エルプラットなしの治療を続けているが、一口目の痛みはでていないし、口腔内の狭さもない。

これがエルプラットの副作用だと思う理由がもう一つある。 それは外科の入院中に同室の人が初めてエルプラットの投薬を受けていた。 そして、食事など口に物を入れた後の一口目だけ顎が痛いと、看護師に訴えていた。 外科病室の看護師なので抗がん剤の副作用に詳しいわけでもなく、時間帯も夜中だったのでやや困った感じだった。 薬剤師の人に問い合わせていて、来た薬剤師の人もいつもの今一歩の反応だった。 私にしたら経験のある副作用の症状なので、ややもどかしく感じた。 なので、「確証があるわけではないけど、多分唾液腺の唾が出る時の痛みですよ」とだけ教えておいた。 痛みがあって理由がわからないのは不安になる。 絶対ではなくても心配するほど酷いものではないと分かるだけで少しは落ち着くことができる。

2020年2月6日木曜日

足の裏や指の痺れ

化学療法を続けていると末梢神経にダメージが残り、痺れがでる。 一番ひどい時はなぜか肛門まで痺れていた。 パンツがお尻の割れ目に食い込んでいるような感覚に近く気持ち悪かった。 ちなみに何故か前はほぼ痺れなかった。 いかにも末梢神経っぽい部分なのに。

生活の上で手の指の痺れも困るが、個人的には足の痺れの方が影響が大きい。
足の指の感覚は、指全部に絆創膏を貼ったような気持ち悪い感覚に近い。 特に痺れの強い部分は指の付け根から先だ。 歩いた時の感覚は、肉球が裏に付いているんじゃないかと思うようなプニプニ感も感じる。 あと、指の痺れがあるせいで足の接地にも影響が出て指が浮いた状態になる。 指に力がかかっていない状態が続くと巻き爪になるので注意が必要だ。

かかとの皮膚のひび割れにも注意をした方がいい。 乾燥すると体重がかかった時に割れる。 できれば、ひどくなる前に頻繁にかかとに尿素入りのクリームを塗っておく方がいい。 それでも、割れるけど。 割れた時はテープを貼ってひび割れが広がらないようにする。

痺れの方は、手の場合は手袋をつけている時は比較的違和感を感じにくいが、靴下の方はというと個人的には違和感が強い。 ならばということで、指の部分が別れた靴下を履いてみることにした。 痺れのない普通のときなら慣れないと違和感のある靴下だが、痺れのある今ならあまり変な感じはしないし、個人的には痺れの感覚が誤魔化されている気がした。 あと、外反母趾にもいいかもしれない。 外出時は、その上から大きめの靴下を重ねばきする。

ちなみに、外科手術の前後に抗がん剤治療を休むのだが、半年以上経つと痺れは明らかに軽減はされた(半年では無くなることはない)。 でも、それに気づくのは抗がん剤治療を再開してから。 じわじわと痺れが弱まるので変化に気がつきにくい。 で、再開すると酷くなるから痺れが弱まっていたと実感する。

現在アービタックス+イリノテカン+レボホリナート(アイソボリン)+フルオロウラシル(5-FU)を初めて2ヶ月を過ぎたが、かなり痺れが酷くなってきた。 指先の皮膚も弱り、小さく亀裂が入る。 痺れの痛み+アカギレの痛みがかなりのものだ。 寝るときはハンドクリームを塗ってスムス手袋をつけている。 自宅で支障のない限りはスムス手袋をつけておいた方が楽だ。 スマホのタッチパネルも一応は反応している。 (もうちょっとよく反応してほしいけど)

ちょっと面倒なのは、Touch IDの指紋登録をしても1〜2日で反応しなくなる。 ひび割れの影響なのか、毛細血管の変化でもあるのか。

MacBookのトラックパッドも反応しているが、キーボードはブラインドタッチはしにくい。 かといって、手袋なしでのタイピングは指先の痛みはなかなかのもの。 やれやれ。 冬場はアルミのパームレストも冷たいのはやや問題。

2021/8/2追記
まだ、4種の点滴をうけている。 もう痺れに関しては行き着くとこまでいったかな・・・。
リリカという薬で痺れは軽減するが、眠気に襲われるため車の運転は禁止となる。 飲むタイミングを考えたり、一日二回ではなく寝る前のみにする必要もある。 今はジェネリックのプレガバリンOD錠に切り替えている。 手の痺れはある程度慣れのせいで気にならない時もある。 足はさすがにどうしようもない。 今は、アービタックスのせいでおこるアカギレが問題だ。


2020年2月1日土曜日

ためしてガッテンで大腸ガンの話を見て思うこと

便潜血で陽性判定になっても精密検査に行かない人の理由は
1位 痔だと思った
2位 時間がないから
3位 ガンだとわかったら怖いから
だった。

でも、実際の理由は「ガンだとわかったら怖いから」の一つだと思う。
もし、ガンですよと断定されたら「時間がないから」を理由として言う人は、ほぼいないだろう。
「痔だと思った」もその言葉の裏は「痔だと思いたい」だ。 普通に年を重ねている人なら知り合いの中に早期であっても大腸ガンになったと言う話を聞いたことがない人はいないだろう。 ガンの可能性が頭を一度もよぎらない人がいるとは思えない。 正常性バイアスとはそう言うものだと思う。

便潜血が陽性の場合、痔の血を拾う可能性はかなり低いという説明だった。
精密検査を受けてもらうと電話で説得していることも紹介していたが、なかなか応じてもらえないということも説明していた。

本当に精密検査を受けてもらおうというのだったら、健康診断の結果の用紙に「要精密検査」という言葉だけでなく、

「陽性の結果が出た場合、大腸ガンの可能性が〇〇パーセント、良性腫瘍(ポリープ)の可能性が〇〇パーセント、潰瘍性大腸炎などの重大な疾病の可能性があります。 痔(切れ痔)などで陽性反応が出る可能性は◯パーセントです。 精密検査を受けて下さい。」

というように具体的な病名を多数書くことはできないのだろうか。

脅すような事になるかもしれないが、それぐらい言われたら自分も多分再検査に行っていたと思う。

災害の時の避難でもそうだが、正常化バイアスとは恐ろしいものだ。 でも、それがあるから心の病気にならないで済んでいるところもあるのだろう。 でなければ、ガンになったら即自殺という人で溢れかえるだろう。 家族だって保たないかもしれない。